コーヒー市場ってニュースで言ってるのは株式市場みたいなもの?
株や金だけでなく、大豆やとうもろこしなどの穀物にも市場があり、需要と供給、そのほかのいろいろな条件によって価格が上下します。
コーヒーにも市場があり、やはりこれもいろいろな条件で価格が変動することになります。
もし豊作が見込まれたら、価格は下がります。
天候不順による減産が見込まれたら、価格は上がります。
投機目的で需給バランスと関係なしに変動することもあります。
アラビカ種はニューヨークの定期市場での価格、カネフォラ種はロンドンの定期市場での価格が、世界のコーヒーの取引の基本になります。
2000年代はじめ、コーヒーは供給過多になり価格は低迷していました。どんな豆を使っても採算が合ったので、コスト計算もせず毎日のコーヒーを楽しんでいた経営者も多かったようです。
コーヒー価格の低迷がもたらした影響が出始めたのは数年後で、採算が取れなくなったために放棄され、荒廃したコーヒー農園が増え、学校に行けなくなった子供たちが出てきたのです。
コーヒー生産量の多い国の都合や投機筋の動向だけでコーヒーの価格が決められてしまい、その価格があまりにも低いと、コーヒーを生産する人たちは生産コストをまかなうだけの収入を得られなくなってしまいます。
コーヒー価格の低迷が、コーヒーの世界を底辺で支えている各地のコーヒー生産農家にいかに深刻なダメージを与えるか、世界中のコーヒーに関わる人達が気付きました。
そしてコーヒー価格の上下でダメージを受けるのは、コーヒーの生産農家だけではありません。
その後、コーヒーが供給不足となり価格が上昇に転じました。コーヒーの原料価格は以前の三倍になり、今まではそれ程価格を気にしなくてもよかったコーヒーに関わる人達に、コスト計算の必要性が生じました。
それでも、原料価格を低くしてカバーできればいい方で、売れば売るほど赤字が膨らむ経営者も出てきました。
さらに、それまで安く買い叩かれていたために豆の品質が下がっていました。品質のよいコーヒーをつくっても、高く買ってもらうことが出来ない時期が長く続くと、販売価格を維持するためにそういうことも起きるのです。
コーヒーの価格は変動するものです。
コーヒーを買い取る側、消費する側が安いコーヒーばかりを求めすぎると、コーヒーの風味まで変化してしまうことがあるのです。